日本の居住環境に関して、マンションはこの20年くらい大きな進化はない気がしますが、注文住宅は大きく性能が上がりました。
法規制によりローコスト住宅でも耐震性能は向上し、最近は地震力を減衰させる制震に力を入れ始めています。そのうち制震対策も義務化されるかもしれませんね。
また、戸建て住宅は気密と断熱性能も飛躍的に向上しました。
とはいえ高性能住宅で有名な一条工務店の家でやっと、マンションの住み心地と同レベルでしょう。当たり前と言えば当たり前なんですけど・・・。
理由は建物の周囲すべてが外気に接している戸建て住宅と、外気に接する場所が廊下側とバルコニー側というマンションの構造による違いによるものです。
その分マンションは今の新築でもサッシの性能が低いですけどね。
住宅は最近は成熟化し、画期的な進化というものは最近少なくなってきた気がします。
住宅で次になにが進化するかなと勝手に想像したのですが、個人的には次は照明なんじゃないだろうか?って思っているのです。
将来普及するのは「青空照明」だと勝手に想定してます
ここ10年くらいで照明で進化を感じたのはLED照明が普及したことです。
「電気代が安い」「省エネ」「寿命が長い」「発熱が少ない」などのメリットから、この10年で電球や蛍光灯から一気にLED照明へと変わっていきました。
また、最近は直接照明から間接照明へと室内の光の照らし方も変化していきました。
そして次に広まると想定するのは。。。
「青空照明(人工太陽光照明)」です!
青空照明って何?
-出典 CoeLux-
青空照明とは、太陽光から窓に入ってくる光を疑似的に再現した照明のことです。
太陽光が大気中の微粒子に当たる際、より波長の短い光のほうが散乱しやすい性質があり、可視光のなかで波長の短い青色だけが散乱するため、空が青く見えます。
この現象を「レイリー散乱」と呼んでいるそうで、青空照明はその「レイリー散乱」を再現することで、自然光に近い照明となっています。
最初に販売開始したイタリアの「CoeLux」
青空照明はイタリアのスタートアップ「Coelux」(コールクス)が最初に商品化しています。
流石イタリア。照明までカッコいいものを作ってしまいました。
-出典 CoeLux-
「Coelux」の青空照明はとてもリアル!
”青空”だけでなく、”光が差し込む感じ”までも再現していて、より高級感があるのが特徴です。
ただ、現状では商品価格がとても高いです・・・。
ハイエンドのCoeLux HE(630万円〜)、ミドルレンジのCoeLux-LS(85万円)、ローエンドのCoeLux-ST(50万円)と、照明一つなのに非常に高価。
上記は照明代だけで、プラス設置費用が必要になります。
また、現状では照明自体も大きくて重いです。一番薄いCoeLux HT25という商品でも25㎝の厚みがあり、54kgと照明自体が重いのです。
消費電力(W)も170Wとかなり大きいのもネックですね。
一部の高級住宅には設置されるでしょうが、一般的な家庭にはまだ普及されないでしょう。
三菱電機の室内照明「misola」
-出典 三菱電機-
「Coelux」はリアリティを追求した商品でしたが、「misola」は青空を模したのみで、”光が差し込む感じ”は再現していません。しかし、全体をまんべんなく照らすため、一般的なオフィス照明の使用感を再現しているそうです。
青空照明販売2番手の三菱は、昔の日本の販売と似たような商品をもってきましたね。
1番の性能ではないですが、設置しやすく「Coelux」よりも低価格を狙っていると思います。
-出典 三菱電機-
また、「misola」の厚さは12㎝で「Coelux」より薄くて軽くなっています。
大きさはCoeLux HT25の約半分ですが、消費電力は75Wで、CoeLuxの商品とそれほど変わりはありません。
青空照明の価格はCoeLuxが小型で廉価な「CoeLux-LS」でも85万円。「misola」は68万円もまだまだ高いです・・・。
ただ、あと10年も経てば約半額位まで価格も落ちそうですよね。
そうすると家庭用照明としても認められる可能性は高いでしょう~!
照明の未来とは??
-出典 CoeLux-
現在の住宅は、LEDダウンライトが一般的に使用されるようになりました。
高寿命な為に交換サイクルも長く、電気工事士の免許がないと一般人が交換できないものになってしまいましたが・・・。
ダウンライトのおかげで室内の解放感が生まれ、スタイリッシュになったと思います。
照明が省電力で高寿命と進化したので、次はどう進化するか・・・。
次はやはりどれくらい自然光に似た光を再現できるかと思ってます。。
戸建て住宅は最近では駅までの立地を優先し、狭い敷地内いっぱいに建物を建てて、庭は設けないのが関東で一般的になってきています。
そうなると住宅が密集し、日当たりを確保するのが難しいと思うんですよね。
また、気密や断熱性能を上げるには窓を少なくする方がよいのですが、窓を少なくすると閉塞感がでてしまうんです。
そこで「青空照明」を採用することで開放感が全然違うのではないでしょうか。
将来的には、部屋に疑似窓が複数配置され、開放感を得られる間取りになるんじゃないかなと思うんです。
例えば上記の写真のように室内にレースカーテンをつけた部屋。
朝になると自然と明るくなっていき、朝日のような明るさが部屋を包む。
でもカーテンの裏は本当は壁で「青空照明」が設置されているだけ。
本物の窓は換気のための最低限しかつけない。
そんな部屋が将来できるんじゃないかなと。。。。
「青空照明」は20年後くらいにかなり普及するのではないかなと勝手に想像してます。我が家には予算面などから採用できないでしょうが、将来が楽しみです!