相鉄線のJR直通線がやっと開通しましたね!2022年には東急直通線の開通が待っています。
東京都心へ行くのに沢山のルートができるのは嬉しい限りです!
そこで気になるのは相鉄直通線の運賃ですよね。
現状の横浜経由してJRや東急を利用した場合と比べて運賃が高くなるのか、変わらないのか・・・。
JR直通線の運賃は相鉄から発表されていますが、まだ公式発表前に私が検討した内容と結構予想が当たっていたのはちょっとうれしかったです(笑)
相鉄線の運賃はどのように決められているのか
鉄道の運賃はどのように決められているか、知っているようで全然知らなかったのでちょっと調べてみました。
相鉄線の普通旅客運賃の体系は、一定の距離を基準として区間運賃を定めた「対キロ区間制」を採用しています。
いずみ野線に関しては建設費償還の為に対キロ区間制運賃のほかに「加算運賃」を設定しています。
【運賃の計算方法】
- 営業キロ程の1キロ未満の端数は、切り上げて1キロ単位とします。
- 小児運賃は、大人片道普通旅客運賃、大人定期旅客運賃をそれぞれ折半した額とします。(ICカード:1円未満の端数は切り捨て、きっぷ・定期:10円未満の端数は切り上げ)
- いずみ野線内の区間を乗車する場合および同区間と他の区間とにまたがって乗車する場合は、いずみ野線内の乗車区間に応じ、下の金額を加算します。
※下の(1)と(2)の区間にまたがって乗車する場合はそれぞれの加算額を合算します
相模鉄道公式ページより引用
上記のことから、相鉄線の運賃を計算するのは下記の営業キロ程表と加算運賃を合わせるとある程度判ってきます。
現状の相鉄本線、相鉄いずみ野線の運賃表は下記になります。
上記の表から、相鉄線では距離ごとに下記金額となり、いずみ野線内はこの金額に加算料金がプラスされます。
営業キロ | 運賃(IC利用) |
(単位:km) | (単位:円) |
1~3 | 147 |
4~6 | 178 |
7~10 | 199 |
11~15 | 231 |
16~20 | 262 |
21~25 | 283 |
26~30 | 314 |
相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線の運賃はどうなるのか?
都心直通線は下記の区間に対して新線を敷設しています。
相鉄本線西谷駅~JR東海道貨物線横浜羽沢駅付近(約2.7km)
JR東海道貨物線横浜羽沢駅付近~東急東横線・目黒線日吉駅(約10.0km)
今回の都心直通線は莫大な建設費が投入されています。
当初は建設費約2739億円を予定していましたが、建設物価の高騰や、土壌汚染対策法の変更をはじめとする法令などの改正、地質調査の結果を踏まえた工法変更などが重なり、約4022億円に増えています。
建設費は国と地方自治体(神奈川県及び横浜市)が総事業費の1/3ずつを補助し、残りの1/3を整備主体(鉄道・運輸機構)が資金調達して鉄道施設の整備を行います。営業主体(相鉄及び東急)は、整備主体に施設使用料を支払って営業を行う形になります。
この建設費を回収する為に加算運賃として新線に設定する訳です。
(相鉄いずみ野線と同様ですね)
相鉄線の都心直通線の加算運賃はいくらになるのか?
実は「鉄道・運輸機構」が相鉄線直通線についての資料を作成していて、その中に加算運賃の表記が記載されていたのです!
下記は「相鉄・JR直通線 付属資料 – 鉄道・運輸機構」より引用
【相鉄・JR直通線開業時】
相鉄・JR直通線では羽沢駅を
分岐駅とする併算運賃とし、西谷駅~羽沢駅間は相模鉄道の
運賃体系を、羽沢駅~武蔵小杉駅間はJR東日本の
運賃体系(幹線)を適用する。
また、新線加算運賃として、以下を設定する。・西谷~羽沢
30円/人
【相鉄・東急直通線開業時】
相鉄・東急直通線では新横浜駅を分岐駅とする併算運賃とし、
羽沢駅~新横浜駅間は相模鉄道の運賃体系を、
新横浜駅~日吉駅間は東京急行電鉄の運賃体系を適用する。
また、新線加算運賃として、以下を設定する。・西谷~新横浜
一律30円/人(西谷~羽沢、羽沢~新横浜、西谷~新横浜)
・新横浜~新綱島
20 円/人
上記資料は最新の資料ではないので、今後加算運賃も変更がある可能性はあるかと思いますが、2019年2月にJR直通線に関しては「相鉄・JR直通線の運賃認可申請について」に公開され、掲載内容に差分がない事が確認取れました!
これで予定されている加算運賃が判りましたので次は駅間の距離を算出します。
相鉄線の都心直通線の駅間距離を算出してみた
都心直通線で新設される駅間の距離を算出してみました。
どの鉄道会社の管轄かで運賃が変わるので、それぞれ鉄道会社も記載してみました。
【相鉄線】西谷駅~羽沢横浜国大駅 2.7km
【相鉄線】羽沢横浜国大駅~新横浜駅 4.3km
【JR線】羽沢横浜国大駅~武蔵小杉駅 17km
【東急線】新横浜~新綱島駅 3.6km
【東急線】新綱島~日吉駅 2.2km
JR線の運賃算出がややこしい
羽沢横浜国大駅~武蔵小杉駅間の運賃に関してですが、この運賃算出がちょっとめんどくさい。
JRは東京や大阪の都市部では「電車特定区間」を設けていて、他の場所より運賃が安く設定されているのです。
羽沢横浜国大駅~武蔵小杉駅間も特定区間での距離計算で言えばJRの17kmは同じような距離の横浜~大船間が同額になるはずです。
ただ、もうひとつ難しくするのが「区間特定運賃」なんです。
東京、名古屋、大阪周辺で私鉄と競合する区間は運賃を割引くものなのですが、羽沢横浜国大駅~武蔵小杉駅間は相鉄線の東急直通線と競合するんです。
おそらく羽沢横浜国大駅~武蔵小杉駅間はJRを利用したほうが安いのですが、これが渋谷までとなると、東急線の方が安くなると思います。
今回「区間特定運賃」を今回適用することになりました。
2019年2月に「相鉄・JR直通線に関わるJR線区間の運賃等について」にてJRから運賃が正式に公表されましたので掲載します。
相鉄線の都心直通線で新たに繫がる区間の運賃は?
【相鉄線】西谷駅~羽沢横浜国大駅
2.7km 177円(147円+加算運賃30円)
【相鉄線】羽沢横浜国大駅~新横浜駅
4.3km 208円(178円+加算運賃30円)
【相鉄線】西谷駅~新横浜駅
10.0km 229円(199円+加算運賃30円)
【JR線】羽沢横浜国大駅~武蔵小杉駅
17km 308円
【東急線】新横浜~新綱島駅
3.6km 177円(157円+加算運賃20円)
【東急線】新綱島~日吉駅
2.2km 146円(126円+加算運賃20円)
【東急線】新横浜~日吉駅
5.8km 177円(157円+加算運賃20円)
二俣川駅から直通線を利用して渋谷駅に向かう場合の運賃は?
上記で纏めた加算運賃と各鉄道会社の対キロ区間制から直通線によって沢山のルートができる渋谷駅まで行く運賃を二俣川を基準に計算してみました。
【JR直通線を利用した場合】
【相鉄線】二俣川駅~羽沢横浜国大駅
6.3km 208円(178円+加算運賃30円)
【JR線】羽沢横浜国大駅~渋谷駅
34.2km 561円
■合計 769円
【乗車時間】約39分
【東急直通線を利用した場合(日吉から東横線急行乗換)】
【相鉄線】二俣川駅~新横浜駅
10.6km 261円(231円+加算運賃30円)
【東急線】新横浜駅~日吉~渋谷駅
5.8km 271円(251円+加算運賃20円)
■合計 532円
【乗車時間】約41分
【横浜経由でJR湘南新宿ラインを利用した場合】
【相鉄線】二俣川駅~横浜駅
10.5km 199円
【JR湘南新宿ライン】横浜駅~渋谷駅
29.2km 396円
■合計 595円
【乗車時間】約48分
【横浜経由で東急東横線(特急)を利用した場合】
【相鉄線】二俣川駅~横浜駅
10.5km 199円
【東急東横線】横浜駅~渋谷駅
24.2km 272円
■合計 471円
【乗車時間】約51分
JR直通線の運賃がもっとも高くなる!
計算してみて判ったのは、相鉄線のJR直通線は渋谷・新宿方面に最速で到着することになる素晴らしいルートではあるのですが、運賃を計算すると他の経路よりかなり割高になってしまうことが判りました。
二俣川駅から渋谷駅まで横浜経由で東横線を使用した場合と比べると298円も高くなります・・・。
定期代に換算すると1ヵ月で約1万円程差額が発生します。
これ、通勤で使う場合、会社が認めてくれると思いますか???
ちょっと厳しい気がする・・・。
利用者にとってはなかなか悩ましいルート選択になりそうです。(汗)
実際にJR直通線で新宿まで朝の通勤時間帯に使用してみましたが、相鉄線から渋谷・新宿を利用するお客さんはそれほど多くないかなと感じました。
武蔵小杉駅で降りる人も結構いたので、南武線乗換の人も直通線をよく利用している可能性があります。都心に行くのだけがメリットではなかったんですね。
今回算出した東急直通線の運賃は公式発表されたものではないので、あくまで参考値として考えて下さい。間違っている箇所もあるかもしれませんのでご了承ください(汗)