相鉄線は神奈川県で利用者数もかなり多いにも関わらず、今までは知名度がとても低く、都心に直通している神奈川の鉄道沿線住民(小田急・京王・京急・東急沿線)からすればほとんど利用しないマイナーな鉄道というのが実情でした。
実際に神奈川の横浜市で生まれ育った私も20歳まで相鉄線を免許取得の為の2往復程度しか利用したことがなかったですから・・・。
ところが最近は直通線用の新車両や星川高架化等でニュースに良く取り上げられるようになり、少しずつ注目度も高くなっている鉄道だと思います。
今回は相鉄線悲願の都心直通線の情報をできる限り判り易くまとめてみたいと思います。
相鉄線ってどんな鉄道??
相鉄線の正式名称は相模鉄道です。
横浜駅~海老名駅間を結ぶ「相鉄本線」と二俣川駅~湘南台駅間を結ぶ「相鉄いずみ野線」の2線を運行しています。
線路の総延長はたった38.1kmしかなく、全国の大手私鉄の中でも最短です。
海老名や湘南台から特急に乗車すると、3駅目に終点横浜です(笑) 実際に乗車すると乗車時間25分位なのであっという間な感覚です。
有名な観光施設はあるのか?
相鉄線の主な主要駅は利用者数から見ても横浜駅、海老名駅、大和駅、二俣川駅となりますが、観光地は動物園のズーラシアくらい。三ツ境駅か鶴ヶ峰駅からバスに15分以上乗る必要があります。
観光地や商業スポットがないので通勤・通学がメインでどうしても地味な印象がある鉄道です。
しかも主要駅が横浜なので、都心に繋がっていません・・・。
この時点で県外の方々はほぼ知る由もない路線ですが、実は関東の大手私鉄に入っているんです。汗
ちなみに相鉄線沿線で一番有名な施設といえば。。。
免許発行・更新で利用する二俣川にある施設。
「神奈川県警察/運転免許センター」
なんです(笑)
この免許センターも今まではボロくて建物は複数に分かれてて使いにくかった!生まれも育ちも神奈川県横浜市でしたが免許の発行、更新以外は相鉄線を利用する機会は無かったですね・・・。
20年ほど前に免許センターいく為に二俣川駅に行った時のイメージも、「ガラの悪い人たち」「トタン屋根の街並み」「交通の便が悪い」と非常にマイナスイメージでした。
ただ、現在では全く違います!
生まれ変わった二俣川駅周辺
現在の二俣川駅は昔の面影が全くないと言っていいほど二俣川は生まれ変わってます。無茶苦茶綺麗で家族連れも沢山いますよ!
まず、免許センターが生まれ変わってとても綺麗なビルに生まれ変わりました!
昔のガラの悪さが一気に解消されました(笑)
駅ビルに直結するJOINUS TERRACEもオープンしてもはや別の駅です。
ただ、東急の二子玉川駅のような駅前の土地を買い占めて一新するような大規模な開発とまでは行かなかったのが相鉄らしい。(笑)
急行・快速の本数が沢山ある!
相鉄線が他の路線と大きく異なるのが、「特急」「急行」「快速」等の優等列車の本数が多く、普通列車と同じくらい本数がある事です。
横浜駅の相鉄線ホームに行けば特急や急行がホームで待機していることが多く、乗車すればノンストップで11分~13分程度の時間で二俣川駅まで行けます。
二俣川より先は小田急線と繋がっている大和、海老名、湘南台などの駅以外では駅から近くでも土地の価格や賃貸価格が安いので、都心に通勤している人もかなり多いです。
2歳の息子が電車好きなので踏切や陸橋などで相鉄線をよく眺めているのですが、通勤時間帯だけでなく日中もかなり本数が多く、よく電車が通るので喜んでます!
他の鉄道だと電車が来る間隔が長く、待ってて見てる方も結構つらいですよ。
子育てする側からすると本数が多いのは助かります。(笑)
注目されている相鉄線の都心直通線はどこに繋がるの?
相鉄線の都心直通計画は2つの路線に繋がる変則的なものとなっていて、全く知らない人からすると実は結構ややこしいのです。
相鉄線の西谷駅からJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近間までトンネルを掘り、新駅である羽沢横浜国大駅を建設します。
羽沢までは2つの直通線が同じ線路を通り、羽沢横浜国大駅から、JR直通線と東急直通線で分岐します。
上記の路線図で言うと赤色が東急直通線で、黄色がJR直通線です。
結構誤解されるのが、JR直通線も新横浜駅に向かうと思っている人がいるのですが、JR直通線は羽沢横浜国大駅の先は横須賀線の武蔵小杉駅に接続します。
相鉄・JR直通線
羽沢横浜国大駅から既設のJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近間に連絡線を新設し、貨物用線路を活用することによってJR横須賀線の武蔵小杉駅まで直結します。
朝ラッシュ時間帯は1時間に4本(15分に1本程度)、それ以外の時間帯は1時間に2〜3本(20〜30分に1本)が設定される予定です。
運行本数としてはちょっと少ないですね・・・。
大部分を貨物用線路を使用する為、工事完成時期は2019年度下期を予定していまして、一部報道で2019年12月に開通予定とされていますので、もう1年を切っています!
開業後の所要時間例として:二俣川→新宿 約44分(相鉄・JR直通線)
横浜駅乗換えのJR湘南新宿ライン利用と比較して、15分程度短縮される見込みです。
【二俣川駅から乗車した場合の所要時間(予想)】
二俣川~鶴ヶ峰 (3分)~西谷(5分)~羽沢横浜国大(8分)~武蔵小杉(24分)~西大井(30分)~大崎(34分)~恵比寿(38分)~渋谷(39分)~新宿(44分)
相鉄・東急直通線
東急直通線が実は相鉄線の都心直通のメインとなるもので、運行本数も多くなる予定です。
羽沢横浜国大駅から新横浜駅を経由し東急目黒線の日吉駅まで連絡線(約10.0km)を新設します。
朝ラッシュ時間帯は1時間に10〜14本(5分に1本程度)、それ以外の時間帯は1時間に4〜6本(13分に1本程度)が設定される予定です。
工事完成時期は2022年度下期を予定しています。現在新横浜~日吉間で絶賛工事中ですね。土地買収や地盤問題で工期が伸びましたが、建設の目途が立ったと思いますのでこれ以上の遅延の可能性は少ないと思います。
開業後の所要時間例として:二俣川→目黒 約38分(相鉄・東急直通線)
横浜駅乗換えのJR湘南新宿ライン&山手線利用と比較して、16分程度短縮される見込みです。
【二俣川駅から乗車した場合の所要時間(予想)】
二俣川~鶴ヶ峰 (3分)~西谷(5分)~羽沢横浜国大(8分)~新横浜(12分)~新綱島(16分)~日吉駅(19分)~目黒駅(38分)
都心への直通線が開通すると何が大きく変わるの?
都心へ直通線が開通する一番のメリットは都心へのアクセス時間短縮です!
横浜駅に出なくてもよくなることで何が変わるのでしょうか。
人混み溢れる横浜駅を経由しなくてよくなる!
一番のメリットはごちゃごちゃしていてひたすら工事している為、「日本のサグラダファミリヤ」と揶揄されているくらいの横浜駅を経由しなくて良くなることなんです!
横浜駅は日本最多の合計6つの鉄道事業者が乗り入れる駅で、構造も複雑です。
相鉄線のホームは他社と少し離れている上に通路も広くない為、通勤時間帯は電車から降りると行列になり乗り換えに5分以上かかります。
通勤時間帯は相鉄線の先頭車両から降りた乗客が乗換する各鉄道会社のホームへと走っていく「相鉄ダッシュ」の光景を目にします。相鉄ダッシュで転んでいる人も日常茶飯事で目撃します。
他にも子供が小さくベビーカーを利用していたり足が不自由だと他の鉄道への乗り換えもかなり大変で、横浜駅で乗り換えするには最低でも3回はエレベータを利用する必要があり、週末となるとエレベータも混雑するので乗り換えは15分を見ていた方が良い時があります。
その辺が横浜駅は不便なんですよね・・・。
また、通勤時間帯で横浜から乗り換えて座って都心に行ける電車は東横線くらいで、しかも通勤特急や急行で座ろうと思うと10~15分程度並ぶ必要もあります。
新横浜駅へのアクセスが格段に良くなる!
東急新横浜線が開通すると、新横浜駅に乗り入れている新幹線・横浜線・市営地下鉄へのアクセスが格段に良くなります。
相鉄線住民として微妙にイラッとするのが、横浜国際総合競技場や横浜アリーナでイベントの帰り等で新横浜駅でちょっとお酒を飲んでから帰る時や、大阪方面からの出張の帰りで遅くなったときでした。
新横浜から二俣川方面は直線距離だと大したことないのに、電車だとわざわざ横浜駅に行かないと行けなくて、しかも35分程度かかるんですよ。
東急新横浜線が開通すれば新横浜駅から二俣川駅まで約12分になります。
本当便利になりますね!
賃貸の人は家賃が安くて住みやすい物件を借りられ、家を買いたい人は安く購入できる。
二俣川駅に買い物に出かけた時に不動産屋さんが窓に貼ってあった賃貸情報を見てみると、二俣川駅から徒歩5分圏内で築年数も浅く1DK、6万円の物件があるんですよ!他にも徒歩11分で1Kで築27年のアパートなら3万4千円とかの物件もありました。
はっきり言って田園都市線とか人気がある路線ではその価格ではまず借りられません。
都心へ通勤する独身者の方にとっては今まで相鉄線沿線で賃貸物件を借りることはなかなか発想が湧かなかったかと思いますが、直通線が開通すれば変わる可能性がおおいにあります。
また、土地や住宅価格が安いのも相鉄線の魅力の一つです。駅から5分の場所で40坪以上の土地を実際に購入した私達ですが、他の都心直通している路線では価格が高過ぎで不可能だったでしょうね。
相鉄都心直通線の運賃はいくらになるのか?
鉄道の運賃は一定の距離を基準として区間を定め、乗車区間に応じた運賃を算出し、乗車距離に応じて階段状に運賃が変化してゆく形を取っています。
ただ、路線の建設費を回収する為に「加算運賃」が発生する場合があります。
相鉄いずみ野線は二俣川~いずみ中央間で最大40円、 いずみ中央~湘南台間で30円が加算されています。
おそらく直通線も「加算運賃」が適用されると思われます。
直通線の運賃は、横浜駅経由でのJR・東急線を利用した金額と大差ない価格にしてくると想定しています。
直通線の運賃予想
西谷駅~羽沢横浜国大駅まで 164円(相鉄線初乗りの144円 + 加算運賃20円)
羽沢横浜国大駅~武蔵小杉駅 226円(横浜~武蔵小杉216円 + 加算運賃10円)
羽沢横浜国大駅~新横浜駅 194円(174円 + 加算運賃20円)
新横浜駅~日吉駅 174円(154円 + 加算運賃20円)
※大体の予想なので外れたらごめんなさい(JRの羽沢~武蔵小杉間が難しいです汗)
まとめ
相鉄線の直通線情報をできる限り判りやすく?説明したつもりでしたがいかがでしょうか。
相鉄線は20000系や12000系といった都心直通線専用車両も新開発し、駅公舎もリニューアルを進めています。
今まで知名度が低く、良い印象が少なかった相鉄線ですが、スタイリッシュな車両も含め、イメージを一新する努力を相模鉄道が行っています。
JR直通線が開通し、新宿駅に相鉄線新車両でヨコハマネイビーブルーの綺麗な12000系が通るとおそらく大多数の人達が振り返ると思いますよ!