上棟からしばらく経ち、土曜日に現場確認に向かうと、現場監督のS木さんがすでに現場にいらっしゃいました。ユニットバス付近で説明したいことがあるそうなので一緒にバスルーム付近に行ってみました。ぬおー、なんでしょう・・・。理由がわからないと結構不安。
そこで説明頂いた内容とは・・・・。
高基礎部分にセルロースファイバーは施工できない!
いや、たしかにそうですよね。セルロースファイバーは柱の間に吹き込む断熱材です。本来であればGLから400mmまでが基礎で、その上に柱が取り付けられるわけですが、我が家は北側の擁壁対策の為に高基礎となり、高さが1000mmの所まで基礎があるのです。通常の基礎より600mmはセルロースファイバーの断熱材が足りなくなる。
その部分をどうするのかのご相談でした。今思えば、着工してからの現場監督さんからの説明ではなく、設計段階で設計側から事前にお話あった方が安心だったかな~。(^_^;)
赤の円で囲ったところ。こちらが高基礎部分です。基礎が丸見えですね・・・。ここをどうやって断熱するのか・・・。
通常はセルロースが105mmで入るのですが、高基礎の内側部分にセルロースを105mm入れると家が狭くなる。
現場監督S木さんからは、ミラフォームなどの断熱材でも厚みがあるとその分内側のユニットバス部分が狭くなる説明をして頂き、できるだけ薄くて30mmの断熱材であればユニットバス側の広さにほとんど影響が出ないとの事です。
S木さんは薄くて断熱性能がよい断熱材がないか探してみるとお話頂きました。
S木さんは何か断熱材に心当たりがあるそうで、どうやらNASAが開発した断熱材との事。まだ一般的でない素材なので調べてみて頂けるとの事でした。
どんな製品なのかは、
S木さん「名前はなんだったけな??ちょっと思い出せないのですけど、結構良いらしいんです!」
としかお話が無かったので、どんなものなのかは正直最後まで判りませんでした。
私達も素人なりに代わりになる断熱材をネットで探してみることにしましたー!
NASAが開発した断熱材???
S木さんがおっしゃってたNASA開発の断熱材って今思えばこれだったのかな?
エアロゲル(エアロジェル)は断熱性が高いのですが強度がないのが問題だったようで、NASAが研究しているものだそうです。
詳細はエアロジェルジャパンのサイトに掲載されています。
エアロジェルは1931年にスティーブン・キストラーにより発明された低密度の固体で、高い断熱性を持ち、半透明の外見と低密度から「凍った煙」「固体の煙」などと呼ばれる物質です。
しかしながら、エアロジェルは非常に脆く、長い間、一般産業用製品としての量産化はされませんでしたが、2001年に米国Aspen Aerogels社よって、量産化が可能なエアロジェル断熱材が開発されました。
エアロジェルジャパンより引用
断熱材の熱伝導率を比較
自分でも色々調べてみました。熱伝導率で比較すると下記になるようです。
厚み | 熱抵抗値 (m²・K)/W |
|
パイロジェルXT | 30mm | 1.80 |
フェノバボード | 30mm | 1.57 |
ネオマフォーム | 30mm | 1.50 |
ミラフォーム | 30mm | 1.071 |
※パイロジェルXTは熱抵抗値の計算間違ってるかも(^_^;)
※熱抵抗値は、大きいほど熱が通りづらいことを表します。
相太は当時パイロジェルの存在は知らず、フェノバボードを使うのはどうかと提案させて頂きました。
NASAが開発したものは結局は使えなかった・・・。
1週間後にまた現地でS木さんからお話頂きました!前回お話したNASAが開発した断熱材はいわゆる家電扱いとなり、製品保証が10年程度と短いことから今回施工するのは止めたそうです。
結果的にはフェノバボードを利用することで決定!
フェノバボードが高基礎部分に敷設されました!
ユニットバスの床部分には厚みがあるフェノバボードを利用し、ユニットバスの壁部分は内側にせり出さないよう30mmのフェノバボードを使用して頂きました。
隙間は発泡ウレタンで埋めて頂けるとの事です。
今回NASA断熱は採用できませんでしたが、現場監督S木さんが断熱材を色々検討して頂いたことに対して嬉しく思いましたし、高基礎部分が問題だったのですが、高基礎部分はセルロースより断熱性能は下がったと思いますが、基礎の床下もフェノバボードを使って頂いたので通常のミラフォームより断熱性能が上がった部分もあり、自分的には納得しました。
今後高基礎を採用される方は少しは役に立つかな??
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